記録されたデータは劣化しません
光ディスクに保存したデータは、デジタル信号で記録されています。アナログのビデオテープと違い、経年によるデータの劣化はおこりません。そして、記録や再生はレーザー光による非接触で行うため、繰り返し使用してもディスクが摩耗することはありません。
寿命は光ディスク自体の経年変化
データそのものの劣化はなくても、光ディスク自体(工業プラスチック)の経年変化による物理的な劣化は避けらず、それが寿命になります。良品を適正な保存環境で管理したとき、「寿命は100年」という理論値が実験からでていますが、製品の違いや誤差を考慮すると、10~30年というのが現実のようです。
CD-R、DVD-R、BD-Rなどの光ディスクは、通常、樹脂層にはポリカーボネートという物質が使われています。この物質は湿気により徐々に劣化し、濁りを経て、ついには,レーザーが記録層に届かずに読みこめなくなってしまいます。
またCD-R、DVD-Rの記録層に使われている有機色素材は、紫外線に弱く、太陽光の下で一週間も放置していると読み込み不能状態に簡単に陥ってしまいます。シアニン色素<フタロシアニン色素<アゾ色素の順番で紫外線に対する耐性強度が異なります。
BD-R(LTH方式を除く)の記録層は、無機系材料を使用するため、紫外線の影響を受けにくくなっています。ただ、樹脂層がDVDの5分の1と薄いため、傷がつきやすいので、ハードコート加工をすることで防ぎます。
その為寿命は早ければ5年、もって20年といわれています。
光ディスクの寿命対策
新しく買ったメディアに4~5年おきにバックアップを繰り返すのが良いでしょう。寿命は物理的なものであり、新しい媒体に移行すれば、データは永久なものとなります。
光ディスクの保存方法
寿命の原因となるのは次の3つ。「取扱いや保管による物理的変形・損傷」、「温度、湿度、紫外線の影響など記録層の化学変化」、「カビや腐食による損傷」です。そのため、以下の通りに保存されることをお勧めします。
・高温多湿の環境を避けて保管
・直射日光に長時間さらさない
・急激な温度変化をさける
・ディスクは保管ケースに入れて、立てた状態で保存する
・レーベル面の反対側(光る面)に付着した指紋などの汚れは、柔らかい布や市販のCDクリーナで取り除く
・信頼できるメーカー製のDVD・CDディスクを使う
・CD-R/ CD-RWは表面の扱いに特に注意する(記録層が印刷層に近いため)
数百年保存が可能な「M-DISC」
M-DISCとは米国Millenniata社が開発した新しい記録メディアで、耐久性を高めたブルーレイディスクやDVDのことです。光・熱・湿度などによる経年劣化に強く、数百年※にわたってデータを保存することができ、データの読み込みは一般的なドライブで可能な為、企業の歴史や重要な情報をデジタルアーカイブする場合に最適なメディアです。
「M-DISC」は、一般的な記録ディスクのように化学変化による記録ではなく、石板に彫り込むように特殊な高耐久素材を用いた記録層に記録するため、記録ディスクの劣化の要因となっている高温、多湿、太陽光等の影響を受けにくく、超長期間の記録保持が可能です。
福岡ダビングセンターでは、M-DISCへのダビングも対応しています。永久に残したい大切な映像の保存にはM-DISCがお勧めです。